建築史学
建築史学担当:菊地勝広
研究内容
横須賀・三浦半島には、近代化と都市化の過程を物語る歴史的建造物が数多く現存します。これらは、日本の近代化を考える上で重要なものが多いにも関わらず、これまであまり調査されてきませんでした。
横須賀市内では、横須賀製鉄所・造船所と後身の旧海軍の施設群や砲台などの旧陸軍施設に加えて、戦前の都市化の様子を物語るモダンな住宅や商店建築、都市化を支えた道路や鉄道、港湾、水道などの都市基盤施設が総合的に残されています。
また、日本の近代化の過程については世界的に関心が広まっており、日本の近代史上で極めて重要な役割を果し続けた横須賀にも関心が集まっています。その横須賀の近代史上の重要性を実物によって証拠付ける歴史的建造物は、後世に伝えるべき宝物といえます。
博物館では、江戸時代にフランス人の指導で建設された横須賀製鉄所の建造物から順を追って調査研究を進めるとともに、歴史的建造物の全体像を把握する総合的な調査を併せて行っています。
また、歴史的建造物の多くは都市の中に存在するものであり、都市の移り変わりを記す写真資料などの収集も継続的に行っています。
文献一覧
(1)他地域を意識した研究
【文献一覧(抜粋)】
菊地勝広
「 横須賀製鉄所副首長ティボディエの家」『有隣』 577 号(2021 年11 月)pp.2.
菊地勝広 ・ 飯島和歌子
「横須賀製鉄所フランス人技術者ルイ ・ メラング家伝来資料目録」『横須賀市博資料集』 44 号(2020 年3 月)pp.1-65.
菊地勝広
「( 論文) 横須賀製鉄所から横須賀海軍工廠への発展について-エミール・ベルタンの改革案と重砲製造-」『銃砲史研究』384 号(2016 年10 月) pp.1-11
菊地勝広
「横須賀製鉄所( 造船所) における耐震と破壊強度試験-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その3)-」
『日本建築学会大会学術講演梗概集』(2016 年8 月) pp.347-348
菊地勝広・飯島和歌子
「横須賀製鉄所創設期における日仏版の規則書と比較-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究( その5)-」
『横須賀市博物館研究報告( 人文科学) 』61 号 (2016 年12 月) pp.25-54
菊地勝広
『(特別展示解説書13)横須賀製鉄所造船所) 創設150 周年記念展すべては製鉄所から始まった-Made in Japan の原点』
(2015 年10 月,横須賀市自然・人文博物館) pp.1-171
Fujii,Y.,Watanabe,K.Shogaki,T., Kikuchi K.
:Application of Photogrammetry to the Survey of the Yokosuka Arsenal Dry Dock No.1,
Japan,G. Lollino et al.(eds.), Engineering Geology for Society and Territory 〓Volume 8, Preservation of Cultural Heritage,
Springer, DOI 10.1007/978-3-319-09408-3_10., December
2014, pp.75-79
Fujii, Y.,Watanabe,K. Shogaki, T., Kikuchi K.
:PHOTOGRAMMETRIC DOCUMENTATION OF YOKOSUKA ARSENAL DRYDOCK No.1,
JAPAN:CONSTRUCTION OF INDUSTRIAL MODERNIZATION, the Republican scientific-practical conference dedicated to the 50th
anniversary of the Tselinograd Civil Engineering Institute of L.N. Gumilyov Eurasian National University, September
2014, pp.196-198.
正垣孝晴・宮川真国・菊地勝広・藤井幸泰・小口千明
「横須賀製鉄(造船)所石造ドライドック裏込め土の鉱物組成」『第 49 回地盤工学研究発表会講演集』(2014 年7 月9pp.37-38)
藤井幸泰・正垣孝晴・宮川真国・菊地勝広
「横須賀製鉄所第1 号ドックの編年変化と写真測量による侵食量推定の試み ( 特集 近代の土木史跡と地盤工学)」『地盤工学会誌: 土と基礎62(4) 』(2014 年4 月),pp.14-17
正垣孝晴・宮川真国・藤井幸泰・菊地勝広
「横須賀製鉄所1号ドライドックの石材侵食量と強度の関係」『土木学会関東支部研究発表会講演概要集』(2014年3月)CDR
菊地勝広
「総括-近代の歴史遺産と横須賀.横須賀の近代歴史遺産-近代化の始まりは横須賀から-」『レンガドック活用イベント ブックレット2.』(レンガドック活用イベント実行委員会(横須賀市都市部市街地整備景観課内)編集・発行,2014年3月) pp.69-124
正垣孝晴・宮川真国・藤井幸泰・菊地勝広・西澤泰彦
「横須賀製鉄所1号ドライドックの編年変化」『地盤遺産シンポジウム論文集』(2014年2月)pp.77-97
藤井幸泰・正垣孝晴・宮川真国・菊地勝広・渡邉邦夫
「写真測量による横須賀製鉄所第1号ドライドックの記録活動-石材表面の侵食量推定について-」『地盤遺産シンポジウム論文集』(2014年2月)pp.99-102
菊地勝広・半田モレル純子
「ブレスト海軍工廠製煉瓦の製造技術と強度について-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その4)-」『横須賀市博物館研究報告(人文科学) 』58号(2013年12月) pp.25-49
菊地勝広
「旧横須賀製鉄所副首長ティボディエ官舎」『神奈川県の近代化遺産―神奈川県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(2012年3月)pp.189-192
菊地勝広
「旧横須賀製鉄所・造船所・海軍工廠のドライドックと護岸」『神奈川県の近代化遺産―神奈川県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(2012年3月)pp.98-101
菊地勝広
「旧横須賀鎮守府庁舎、同会議所・横須賀海軍艦船部」『神奈川県の近代化遺産―神奈川県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(2012年3月)pp.130-132
菊地勝広
「横須賀製鉄所へのブレスト海軍工廠煉瓦寸法規格の導入について-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その3) -」『横須賀市博物館研究報告(人文科学)』57号(2012年12月)pp.17-30
菊地勝広
「1873年刊行フランス海事雑誌にみる横須賀製鉄所の建築構法と使用材料-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その1)-」『審査付研究報告集6(2010年度日本建築学会関東支部)』(2011年8月) pp.209-212
菊地勝広・安池尋幸
「横須賀製鉄所とフランス・ブレスト海軍工廠における煉瓦寸法の共通性について-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その2)-」『日本建築学会大会学術講演梗概集』(2011年8月) pp.309-310
菊地勝広
「1873 年刊行フランス海事雑誌にみる横須賀製鉄所の建築技術-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その2)-」『横須賀市博物館研究報告(人文科学)』第55 号(2010 年12 月)pp.27-65
菊地勝広
「慶応元年柴田日向守一行のフランス軍港視察と横須賀製鉄所の建設事業について-横須賀製鉄所におけるフランス系技術の導入に関する研究(その1)-」『横須賀市博物館研究報告(人文科学)』第54 号(2009年12月) pp.13-51
菊地勝広
「横須賀造船所のフランス人技術者による日本初の洋式乾ドックと技術移転」『日蘭通商400周年記念「日本とオランダ・ドイツの歴史的乾ドックとその周辺」講演論文集』(2009年) pp.19-25
菊地勝広
『横須賀製鉄所・造船所とその後身施設における近代的建築技術の導入およびその技術史的展開に関する研究』(2005年3月, 博士(工学)学位請求論文)pp.1-246
菊地勝広・初田亨
「横須賀製鉄所における建設材料の収集と調査研究-煉瓦・セメント・木材」 『日本建築学会計画系論文集』第587号(2005年1月)pp.191-197
菊地勝広・初田亨
「明治38年農商務省告示によるポルトランドセメント試験法における硬練りモルタル試験採択の背景とその後の影響について」『日本建築学会計画系論文集』第588号(2005年2月)pp.141-148
菊地勝広・安池尋幸・初田亨・福島保・前田忠史
「旧横須賀製鉄所・造船所副首長ティボディエの官舎建築について」『日本建築学会大会学術講演梗概集』(2002年8月)pp.315‐316