学芸員自然と歴史のたより「身近な植物の図鑑をつくってみよう」
2018年7月27日に夏休み企画として、小中学生を対象に「身近な植物の図鑑づくり」を実施しました。多くの申込みをいただいたこの行事の内容を紹介します。
1.シールを貼って図鑑をつくろう
はじめに、こちらで用意した「身近な植物の写真シール」を台紙に貼って図鑑をつくりました。「身近な植物の写真シール」には「種名」「科名」「生育環境」「花期」などの情報も載せていますので、貼った写真について自分で解説文を書くことができます。
どのような図鑑をつくったかを発表してもらったところ、「自分の好きな植物」、「生育環境」、「花の色」、「花期」、「草本・木本」などそれぞれのテーマで完成させていました。
2.図鑑について考えよう(図鑑の見方、生物の分類について知る)
次に、実際に使われている図鑑はどのような順番で並べられているのか見てみました。参加者が持参した図鑑(学習図鑑やポケット図鑑)は、「生育環境」や「季節」毎に並べられているものが多かったです。この他にも、『シダハンドブック(文一総合出版)』のような「かたち」別(ここでは葉の鋸歯や複葉)、『地衣類ハンドブック(文一総合出版)』のような「色」別に並べられている図鑑を紹介しました。続いて、『小学館の図鑑NEO花(小学館)』や『野に咲く花 増補改訂版(山と渓谷社)』といった「分類」順に並べられている図鑑を見ながら、「生物の分類」と「種名(和名や学名)」について学びました。
3.検索表をつくってみよう(植物をよく観察する)
分類順に並べられている図鑑の中でも、『日本の野生植物(平凡社)』や『神奈川県植物誌(神奈川県立生命の星・地球博物館)』には種の同定の補助となる「検索表」があることを確認しました。検索表とは、生物種の同定の際に使用するもので、選択肢を選びながら種を絞り込んでいく表です。ここでは、実際の植物(どんぐりの果実と葉)を観察しながら検索表づくりに挑戦しました。まずは、既にできている検索文にあてはまるどんぐりを観察しながら選び、「どんぐりシール」を貼って検索表を完成させました。さらに、どんぐりの葉(押し葉)を観察しながら検索文を自分で考え、本物の葉を使った検索表をつくりました。
4.図鑑を完成させよう
さいごに、身近な植物の押し葉、押し花をつかって自由に図鑑をつくりました。図鑑のタイトルも自分で考えてもらい、オリジナルの植物図鑑を完成させました。(植物学担当:山本)
「学芸員自然と歴史のたより」はメールマガジンでも配信しています。