人文館 2階 トップページ>常設展示>人文館 2階 人文館 2階 江戸時代から現代までの三浦半島の歴史と民俗を展示しています。昔の船や漁師の家など大きな展示物が見どころです。江戸時代以降、浦賀には重要な湊が置かれ、幕末にはペリーが来航、その後、横須賀製鉄所が開設されました。これらの日本史上でも有名な歴史に加えて、横須賀の都市化と暮らしの変化を物語る資料を展示しています。 17 ~ 19 世紀の和洋船と浦賀-海を切り拓いた人たち 村の暮らしと三浦半島 しめかす小屋 江戸時代の漁師の家 ペリーの来航から横須賀製鉄所へ 横須賀製鉄所のあゆみと日本近代化への貢献 近現代のあゆみー幕末からの近代化と都市化 映像展示コーナー 詳細一覧 17 ~ 19世紀の和洋船と浦賀ー海を切り拓いた人たち 海を切り拓いた人々として、安針塚で知られるウィリアム・アダムス、横須賀製鉄所を成功に導いた小栗上野介忠順とフランソワ・レオンス・ヴェルニーの 胸像を展示室の入り口に展示し、皆様をお出迎えしています。 横須賀の発展には海が大きく影響しました。江戸幕府の重要な湊みなとがおかれ、三浦半島の中心地となった「浦賀」と出入りした船など、 江戸時代の歴史を紹介しています。 村の暮らしと三浦半島 海に囲まれ平地が少ない三浦半島では、漁業と畑作で村の暮らしが成り立っていました。特に盛んだったイワシ漁について、地引網船( じびきあみせん) の 断面を見ながら学べる展示は大変めずらしいものです。国指定の文化財になっている漁師のハレ着やタコ漁の展示もあります。 イワシはカツオ漁の生き餌( いきえ) として利用されましたが、畑の肥料としても使われました。畑では、麦やイモなどを栽培していましたが、 余裕のある家は木綿栽培( もめんさいばい) もしていました。 昔の道具は、個人の体格や細かい用途にあわせて作られており、身をもって自然を相手にしていた村の暮らしが浮かんできます。 しめかす小屋 油の多いイワシを原料にして、干鰯(ほしか)という肥料が17世紀から19世紀にかけて三浦半島や東京湾岸・房総半島にかけてたくさん作られました。 また、イワシを大きな釜で煮て、油をしぼりました。これも肥料などにつかわれましたが、残った骨もしめかすといって、肥料でした。 これらは関東地方だけでなく関西地方へも売られましたが、その問屋(とんや)が東浦賀[現横須賀市東浦賀町]にたくさんあり、栄えました。展示してあるしめかす小屋は、東日本でもっとも古い形をつたえるめずらしいものです。 江戸時代の漁師の家 ぺリー来航の11年前、天保(てんぽう)13年[1842年]に横須賀市佐島に建てられた漁師の家を博物館に移築しました。この家は「九尺三つ取り(きゅうしゃくみつどり)」と言われ、ニワ[土間(どま)]、ザシキ、オクがそれぞれ9尺[約2.7m]の幅を持って建てられた田の字型の住居です。佐島の漁師にとって「九尺三つ取り」の家に住むことは、一人前の証しとされていました。 実際に使われていた家なので、所々に昔の面影が感じられます。縁側(えんがわ)に座りながら地引網船(じびきあみせん)や大きな生け簀(いけす)を眺めるのも味わい深いものです。 ペリー来航から横須賀製鉄所へ 1853年(嘉永6年)、ペリーが浦賀に来航したのち、久里浜に上陸し、日本の開国に大きな影響を与えました。当館には、ペリー来航のようすを知ることのできる絵巻物がたくさんあり、映像と実物展示で紹介しています。 ペリー来航をきっかけに、日本は開国し、1860年(万延元年)にアメリカと条約を結ぶために遣米使節が派遣されました。使節団はアメリカの造船所を見学し、日本に最先端の造船所を建設することを決意します。これが横須賀製鉄所です。使節団の一員として活躍した小栗上野介忠順は、帰国後に、横須賀製鉄所の建設を実現させ成功に導きました。さらに、使節団の代表を務めた新見豊前守正興の愛用品なども当館に所蔵されており、これらもあわせて展示しています。 横須賀製鉄所のあゆみと日本近代化への貢献 横須賀製鉄所は、江戸時代末期につくられた造船所で、当時の日本で最大の工場でもありました。ここには、西洋の最先端の技術がとり入れられ、日本の近代化に大きな影響を与えました。ここに伝わった技術には現在も使われているものがたくさんありますし、優秀な人材も育ち、全国で活躍しました。横須賀製鉄所は、日本の近代化を考えるうえで極めて重要な施設であり、当時の設計図の原本や建築模型などを幅広く展示しています。 近現代のあゆみ-幕末からの近代化と都市化 幕末から現代までの歴史と街の移り変わりを広く紹介しています。横須賀は、幕末に横須賀製鉄所が開設され、明治時代からは陸軍と海軍の拠点がおかれて、都市化が急速に進みました。さらに、これを契機に最先端の技術導入の舞台となり、日本の近代化を大きく支えました。これら、都市化と近代化を物語る史料とともに、大正時代の関東大震災や戦争の歴史を伝える歴史史料を展示しています。 一方、横須賀は、戦前から美しい景色とモダンな都市文化を併せもつ観光地としても知られ、昔の風景画や写真、観光パンフレットなども展示しています。 映像展示コーナー 1.大画面映像展示(おもな内容) 1)横須賀製鉄所を歩こう(3Dでみる横須賀製鉄所) 幕末・明治期の横須賀製鉄所を3D映像内で歩いて巡ることができます(ウォークスルー)。 2)ペリー来航と三浦半島 ◎ペリー来航絵巻 ペリー来航の様子を記した絵巻物を14本ご覧いただけます。BGMの曲目は、1853年のペリー来航時に演奏されたヘイル・コロンビア(当時のアメリカ国歌)です。◎ 映像番組「ペリー来航から横須賀造船所へ」 3)フランス人の家(横須賀製鉄所首長ヴェルニーと副首長ティボディエの家) 3D映像で復原された横須賀製鉄所首長ヴェルニーと副首長ティボディエの家をご覧頂けます。ヴェルニーの家では、家の中も3次元映像で展示しています。ベッドやフランスパンもあります。 4)横須賀市域の移り変わり 横須賀の移り変わりを地図で紹介しています。 5)横須賀製鉄所記念アルバム(ヴェルニー家所蔵) 6)特別映像展示 貴重な写真資料を大画面でご覧いただけます。現在は、横須賀造船所の彩色写真などを上映中。 2.映像資料閲覧コーナー(おもな内容) 2-1 歴史資料閲覧システム 1)石井コレクション 横須賀製鉄所の図面などを含む市指定重要文化財・日本遺産の貴重なコレクション 2)明治時代の横須賀製鉄所・造船所と三浦半島 当時の写真をたくさん紹介 3)関東大震災の記録 軍により削除命令を受けた写真も展示 4)第2次世界大戦中と終戦直後、接収時の写真 接収作業にあたった米軍部隊の公式記録写真集(See Bee)など 5)絵葉書にみる近代 戦前の旧陸海軍の建築や市街地の風景写真を中心に紹介しています。 6)映像と歴史資料にみる近現代 戦前の写真、昭和20年代の写真、EMクラブやどぶ板通り、ガントリークレーンなどの懐かしい写真を展示 7)国指定重要有形民俗文化財「三浦半島の漁撈(ぎょろう)用具」の台帳< 実物資料は、「文化財収蔵庫」の公開時に間近でご覧いただけます。 2-2 映像番組閲覧システム 1)国指定重要文化財スチームハンマー(旧横須賀製鉄所設置)の歴史と修復工事のドキュメンタリー映像 2)「The Last Day」 フランス・ブレスト海軍工廠の1867年製スチームハンマーの映像番組(音声はフランス語、字幕は英語) 3)「鉄を打つ-その技術と未来」 鍛造(たんぞう)の原理、食べ物と鉄、鉄の歴史やリサイクルなどの番組を選んでご覧いただけます。 4)動画で甦るあの時の横須賀! 「戦前の浦賀の虎踊りと大津の海水浴場(制作:昭和5(1930)年浦賀町)」、 「1960年代-横須賀ドライブ映像(馬堀・観音崎)」など昔の動画映像を紹介しています。