自然館 2階

自然館 2階

 横須賀市から発見された「ナウマンゾウ」を中心としたフロアです。三浦半島周辺の地形模型、衛星写真、
「三浦半島の活断層」、化石や岩石から三浦半島の生い立ちを探る「深海から生まれた三浦半島」、ジオラマ「三浦半島の自然・森林」と
「三浦半島の自然・海岸」などの展示もあります。「珍しい標本コーナー」ではリュウグウノツカイなどの大型標本を展示しています。

詳細一覧

ナウマンゾウ

ナウマンゾウは35万~2万年前に日本と中国に生息していたゾウのなかまで、横須賀市では2か所から化石が見つかっています。
現在の米海軍横須賀基地である横須賀製鉄所の敷地内から1867年に見つかったナウマンゾウの下あご化石は、
ナウマンゾウの名前の由来となったナウマンによって研究された歴史的な標本で、科学的に研究されたはじめてのナウマンゾウ化石です。
このコーナーではナウマンゾウの全身骨格模型や、横須賀市から見つかったナウマンゾウの下あご ( レプリカ)、肩甲骨、上腕骨の化石などを展示して
います。

さわれる展示

 このコーナーではアンモナイト化石、始祖鳥の化石レプリカ、ドングリ、松ぼっくり、貝、ウニの殻などをさわりながら学習できます。直接さわることにより、違った角度から自然の美しさや面白さを感じてください。

三浦半島をとりまく地形

三浦半島は東を東京湾や浦賀水道、西を相模湾に囲まれています。水深1,000m を越える相模湾は、フィリピン海プレートと北米プレートの境界となって
いて、多様な生き物がくらしています。
三浦半島を中心に、東は房総半島、西は南アルプス、南は三宅島、北は秩父山地の範囲で、水平1:50,000、垂直3:50,000 の縮尺で作られた地形模型を
展示しています。

三浦半島の一世紀

 三浦半島の景観は、土地の開発などによって大きく様変わりしてきました。このコーナーでは1882-83年の地形図と1947年~1990年の航空写真、2007年の衛星写真を用いて、地形や土地利用の変遷、緑地の減少、海岸線の変化などを紹介しています。

三浦半島の活断層

 三浦半島には地震の原因となる活断層が5本 (衣笠断層、北武断層、武山断層、南下浦断層、引橋断層) あると考えられています。
 このコーナーでは活断層のしくみや、三浦半島の活断層の分布、活動年代などを紹介しています。

深海から生まれた三浦半島

 三浦半島の地層や岩石の大部分は深い海の底でつくられ、地球の表面を覆う岩板であるプレートのはたらきによって変形を受け、隆起したものです。これらの地層や岩石は5,000万年前以降の新生代につくられました。
 このコーナーでは三浦半島最古の岩石である三浦枕状溶岩や、かつて三浦半島が深海であったことを示すシロウリガイ類やチューブワームの化石、貝化石がびっしり入った地層のはぎ取り標本などを展示しています。岩石をさわれるコーナーもあります。

ミニシアター干潟の生き物

 干潟の生き物や干潟のようすの映像資料を約10分間に編集した映像展示です。前半はコメツキガニやアサリなど三浦半島の干潟の生き物を、後半は九州や琉球列島のマングローブの周辺で見られるムツゴロウやシオマネキなど干潟のめずらしい生き物を紹介しています。映像は自動で繰り返し上映され、開館中いつでもご覧になれます。

三浦半島の森林 (ジオラマ)

 大昔の三浦半島の丘は、巨大な森林でおおわれていました。氷河期が終わり、暖かくなると、山の峰の部分は
スダジイ、山の斜面はタブノキ、平地はケヤキなどを代表とする高木の森林が生まれ、
ヤブツバキ、シロダモ、ヤブニッケイ、アオキ、トベラなどの常緑樹がたくさんまじっていました。
こういう形の森林は照葉樹林と呼ばれ、そこに住みついた人々の生活に著しい影響を与え、独特の風土を作りだしました。こうした森の中には、シカ、イノシシ、キツネ、タヌキ等の動物がすんでいました。
 このジオラマの中心には大きなスダジイがはえ、うっそうとした森林が再現されています。シカやキツネなどの哺乳類だけでなく、スダジイの枝にはフクロウの仲間が止まり、枝の間をムササビが飛び、ヤマカガシやヒキガエルが冬眠しています。森にすむさまざまな動物たちをぜひ探してみてください。

三浦半島の海岸 (ジオラマ)

 三浦半島の西部地域は黒潮の影響を受けて冬も暖かく、そのために海岸には暖地性の植物がよく育ちます。ハマオモトやハマボウのような亜熱帯系の海岸植物も生育し、その自然分布の北限である天神島は神奈川県の天然記念物に指定されています。
 海の中には温・熱帯性の海水魚をはじめ、魚類、貝類、海藻など多くの種類の海洋生物がすんでいます。海鳥ではカモメのなかまのウミネコが1年中見られ、秋には渡り鳥のシギ・チドリの仲間も見られます。
 天神島をモデルにしたジオラマです。オオミズナギドリが飛び、キアシシギやウミネコなども見られます。海面の下をのぞくと、ウミタナゴやクエ、タカノハダイなどの魚や、ケフカイソガニ、ショウジンガニ、イトマキヒトデ、スカシカシパン、ムラサキウニなどがどんなところに生息しているのかよくわかります。石の上のクラカケトラギスもお見逃しなく。

オオスズメバチ

 壁からつき出たスズメバチの大きな顔―オオスズメバチの女王をモデルに制作した大型模型(倍率:約100倍)です。わたしたちに比べればとても小さい昆虫たちですが、その体はとても細やかにできています。虫めがねや顕微鏡で見ないと分からない体のつくりを、大きな模型で見られるようにしました。
模型の下には拡大した翅を貼りました。記念撮影をお楽しみください。

珍しい標本コーナー

 博物館に収蔵されている標本のなかでも特に珍しい動物の標本を展示したコーナーです。リュウグウノツカイ、サケガシラ、生きた化石といわれるラブカといった深海の魚類、大型のイカのなかまニュウドウイカとソデイカ、最大級のヤマカガシなどの液浸標本のほか、イバラガニモドキやイガグリガニなどのタラバガニ類やオオエンコウガニなど深海に生息する甲殻類のはく製標本がご覧になれます。